人間終わった日

1月にもあったピアノ即興ワークショップに参加した。

千野秀一+ことりや工房企画:ピアノ即興ワークショップ「2pf」
http://www.geocities.jp/anoyoarayo/
http://homepage2.nifty.com/g_ust/

前回とほぼ同じ顔ぶれで軽く挨拶を交わしながら、3月10日のハノン大演奏会のチラシを配る。ハノンを知る人には「やるの?丸1冊?あははははは!!」と、とてもウケが良い。ちょっと違ったのは千野さんで、「またりさま」を見た事があるとのこと。話を伺うと、神奈川でやった「演算する身体展」に来ていたらしい。驚きだった。

この日の参加者に、小学生の女の子がいた。パーカッショニストの娘さんだっただろうか。お父さんと2人で来ていた。まわりはみんな大人で、ピアノで鳴らす音と言ったらコアな即興である。綺麗な和音や旋律を奏でる人もいるけど、男はだいたいガガガーン!!ドドドーン!!である。女の子、呼ばれるも椅子から立ち上がれず、お父さんに抱え挙げられてピアノの椅子に座った。けど、鍵盤を睨みつけてピクリともせず。後ろに立ってたお父さんが席に戻ると、1曲弾いて席に戻った。前途多難になりそうな予感。

今回の会場はグランドピアノが1台だったので、もう一台は年季が入ったトイピアノだった。ランダムにペアが組まれて演奏が進んでいくと、女の子の名前が呼ばれた。相手に女性が選ばれたので、ちょっと打ち解けたところを見せたけど、トイピアノの前で固まってしまう。するとお父さん、

「それじゃ田中泯だよ〜」

違うペアのときには、

「それじゃ土方さんだよ〜」(土方巽

自分の娘を暗黒舞踏にしてますよ?
親子共演では、ピアノが弾けないというお父さんがゴジラを弾き出すと

ゴジラやめろー!

と声を上げるなど、だんだんイイ感じになって来た。

そんなこんなで休み時間のこと、ロビーに出たら千野さんと女の子が何やらお話している。そしたら「このお兄さんがいっしょに弾きたいって」と水を向けてくれた。

「じゃあね、じゃあね、どーちーらーにーしーよーおーかーな・・・」

平成二桁生まれでも、迷った時は神様の言う通り。美しい国、日本。しばらくして、「うん、OK。OKだよ。」という有り難いお言葉。

「ほんと?やったー!嬉しいなあ。頑張っちゃうよーん?」

「あっ、違う違う!犬だった!犬、犬!」

犬!?
ハイかイイエの、2択のどこから犬が・・・

「よーし!じゃあ、僕は君の犬になる。

小学1年生の女の子に向けて言い放ったセリフである。こうして、これまでの人生で最もダメな瞬間が訪れた。

ちなみに、この後に連弾する機会が訪れて、やはり固まりがちだったので和ませようとヤマハ音楽教室のアレを弾いたら、大人にウケた。